子供歌舞伎に曳山曳揃え!「お旅まつり」を楽しもう
「お旅まつり」は小松市で毎年5月に行われている、莵橋神社(うはしじんじゃ)と本折日吉神社(もとおりひよしじんじゃ)の春季例大祭。
曳山で子供たちが熱演する「子供歌舞伎」やライトアップされて黄金色に輝く「曳山曳揃え」で知られており、イベントも多数開催されるなど、毎年多くの観光客でにぎわいます。

2025年曳山子供歌舞伎上演スケジュール&会場・交通案内図
八町こども歌舞伎 上演時間:50分 | 龍助町 上演時間:55分 | |||
5月9日(金) | 1⃣ | 13:30 | ① | 15:00 |
2⃣ | 16:30 | ② | 18:00 | |
5月10日(土) | 曳山曳揃え/細工町交差点 | |||
3⃣ | 15:40 | ③ | 16:40 | |
4⃣ | 18:00 | ④ | 19:00 | |
5月11日(日) | 5⃣ | 13:30 | ⑤ | 11:00 |
6⃣ | 16:30 | ⑥ | 15:00 | |
⑦ | 19:00 |
※天候等の影響により、上演場所・時間が変更になる場合があります。
※荒天等により曳山曳揃えが中止となる場合があります。中止の場合、子供歌舞伎はみよっさ及び龍助町曳山保存庫で上演予定です。
2025年上演町
【龍助町】
芸題「玩辞楼十二曲の内 義士外伝 土屋主税(がんじろうじゅうにきょくのうち ぎしがいでん つちやちから)」
《あらすじ》
"土屋主税"は赤穂浪士討ち入りにまつわる忠臣蔵のサイドストーリー。
一場は吉良邸討ち入り前日。浪士の一人大高源吾は俳句の師匠宝井其角の家を訪れる。討ち入りの計画は口外厳禁のため、西国の大名に召し抱えられたと別れを告げる。そこへやって来た其角の弟子落合重蔵は大高が仕官することを聞くと怒り、足蹴にする。大高は本心を打ち明けられないまま立ち去ろうとするが、其角はこのまま別れるのは心残りと「年の瀬や水の流れも人の身も」と上の句を詠みかける。それに対して大高は「明日待たるるその宝船」と下の句を詠み返し、宝井邸を後にする。
二場は吉良邸隣の土屋邸。其角は、大高の妹で腰元お園の暇がほしいと願い出る。訳を問う土屋に、其角邸でのいきさつを語る。
大高の詠んだ句「明日待たるるその宝船」の真意に気づく土屋。それをよそにお園は兄を情けなく思い自害を図ろうとする。ちょうどその時、山鹿流の陣太鼓が鳴り響き、一同は赤穂浪士が討ち入ったことを知る。喜びに沸く土屋邸へ、大高は主君の無念を晴らした報告に訪れる。其角やお園に今生の別れを告げ、浅野家の菩提寺へと立ち去る。その大高を見届け、土屋は浅野公への思いを馳せるのであった。
《配役》
土屋 主税(つちやちから) | 東 凛花 |
大高 源吾(おおたかげんご) | 中出 龍汰 |
宝井 其角(たからいきかく) | 東 依茉 |
お園 (おその) | 辻 葉奈子 |
落合 重蔵(おちあいじゅうぞう) | 大幡 志星 |
お花 (おはな) | 勝木 菜々香 |
■振 付・・・市川団四郎、市松与紫也
■義太夫・・・竹本越孝、竹本倭昇、石田土茂龍
■三味線・・・福光築山、大幡築悠
【八町こども歌舞伎】
芸題「旅衣小松緑弥栄 義太夫 勧進帳(たびごろもこまつのみどりはいやさかえ ぎだゆう かんじんちょう)」
《あらすじ》
鎌倉幕府将軍である兄・源頼朝に謀反の疑いをかけられた義経たちは、追われる身となり奥州へ向かっていた。道中の加賀の国・安宅の関で、義経は武蔵坊弁慶と山伏の姿で通り抜けようとするが、関守の富樫左衛門には山伏姿の義経たちをとらえるよう命令が下されていた。そこで武蔵坊弁慶は機転を利かせて、焼失した東大寺を再建するため勧進を行っているのだと話す。すると富樫は、弁慶に勧進帳を読むように命じるのだった。
もちろん勧進帳など持っていない弁慶は、たまたま持っていた巻物を勧進帳であるかのように装い、朗々と読み上げる。その後も山伏を演じきり、関所を通る許しを得る。
しかしふとしたことから剛力が義経ではないかと疑われてしまった。緊迫した状況の中、弁慶は義経をどこまでも剛力として扱い、杖で打ち据える。それを見た富樫は、頼朝の命を破り、弁慶と義経を通してやるのだった。
《配役》
武蔵坊弁慶(むさしぼうべんけい) | 近 松葉 |
富樫左衛門(とがしのさえもん) | 村尾 苺香 |
源 義経 (みなもとのよしつね) | 佐藤 佳帆 |
軍内六郎(番卒)(ぐんないろくろう) | 八幡 瑠奈 |
権内次郎(番卒)(ごんないじろう) | 三井 いはる |
■振 付・・・千川 貴楽
■義太夫・・・茶谷 土茂樹
■三味線・・・鶴澤 友瓔、土田 加寿美
曳山曳揃え
今年は7年ぶりに現存する八基全ての曳山が曳揃います!
解説は、古典芸能解説者の葛西聖司さんです。
開催日:2025年5月10日(土) 15:00~20:00
会 場:細工町交差点(小松駅から徒歩10分)
《スケジュール》
15:00~ 第一部開演 オープニング
15:40~ 八町こども歌舞伎 上演
16:40~ 龍助町 上演
18:00~ 第二部開演 八町こども歌舞伎 上演
19:00~ 龍助町 上演
20:00~ 曳山退場
子供役者の熱演を特等席で観れる、曳山曳揃え有料観覧席チケットを発売します。
有料観覧席の詳しい内容は、下記よりご覧ください。
「お旅まつり」の名前の由来「お旅」ってどういう意味!?
「お旅まつり」は、1640年頃に莵橋神社と本折日吉神社の神輿が巡行の際、加賀前田家三代前田利常が隠居した小松城門前へ赴き、藩主前田家の平穏と武人としての命運が長く続くことを祈願し、それぞれの御旅所(おたびしょ)や氏子の住む各町を渡御(とぎょ)して回ったことが始まりとされています。神輿が氏子町内を練り歩くことを「旅する」と言ったことから「お旅まつり」と呼ばれるようになりました。
「お旅まつり」に重要な曳山の歴史
「曳山子供歌舞伎」の舞台となる曳山は、1766年に近江長浜の曳山を模して造られたといわれています。最初は簡単な移動式舞台のようなものでしたが、1776年に、長浜(現滋賀県長浜市)の古い曳山を買い受けることになり、小松の大工たちによって改良され、原形をとどめないほど小松独自の形に仕上げられました。
こうしてできた曳山が松任町の高楼式のものだとされ、他の町でも次々と高楼式の曳山が造られるようになり、ついに曳山は10基に。残念なことに、二度にわたる昭和の大火により松任町と東町のものは焼失し、現在は8基となっています。
現存する8基の曳山は小松市指定文化財、お旅まつりの曳山行事は石川県の無形民俗文化財に指定されています。
橋北と橋南を超えた「曳山八基曳揃え」
旧小松町を東西に流れる九龍橋川を境に、北側は「橋北」、南側は「橋南」と呼ばれます。これは、かつて九龍橋川が城下町の東辺を南北に流れる新町堀とともに、城を中心とした城下町を囲い防御する「惣構」だったことから、大きく「城内」と「城外」を分ける境界であったと考えられています。
川の北側には「莵橋神社」、南側には「本折日吉神社」があるので、両社の祭礼範囲も川を越えないかたちで催行されていましたが、市制50周年の1990年に九龍橋川の川沿いにある京町交差点で初めて曳山が八基曳き揃い、その後も川を越えて小松駅や小松市役所前などで曳揃えが行われています。
各町の曳山を紹介します!
小松にある曳山を紹介。それぞれの個性的なデザインを見比べてみましょう!
- 材木町
- 江戸後期の九谷焼の名工・栗生屋源右衛門が描いた15枚もの花鳥図が格天井に組み込まれています。1990年に大修理を行い、組み物にも金箔が施されました。
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- 西町
- 1790年に、加賀藩の名匠・山上善右衛門の流れを組む大工の棟梁・藤山清九郎が建造したことが、曳山土蔵から発見された棟札で確認されています。唐門式の風格ある様式美が見事な曳山です。
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- 京町
- 1792年建造。大正初年には京町出身の彫刻家・村上鉄堂の作品が、1959年には鉄堂の高弟で同じく京町出身の吉田楳堂の作品が「見送り」や「むしこ」の彫刻に加えられました。
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- 龍助町
- 二重屋根で四隅には龍の彫刻、天井には九谷焼の名工・松本佐吉による龍の墨絵が描かれています。螺鈿の部分は輪島塗の人間国宝・前史雄により塗り直され、2012年には雲板が修繕され、華やかな姿がよみがえりました。
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- 中町
- 1798年頃に建造されたと伝えられています。屋根下の組み物が極彩色で美しく、柱は青貝入りの研ぎ出しと、豪華。全体的に均衡がとれていて、実に優美で、見事な曳山です。
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- 寺町
- 1798年頃の建造で江戸時代の末に大聖寺藩主から賜った唐銅宝鐸が屋根の四隅に飾られています。天井には、寺町出身の名工・北市屋平吉による鳳凰図が描かれた工夫と趣向が凝らされている曳山です。
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- 大文字町
- 那谷寺造営に当たった加賀藩の名匠・山上善右衛門の流れを組む工人達が建造し、那谷寺本殿を再現したといわれています。床場と見送りの開き扉に施された、牡丹に唐獅子の彫刻は実に見事。
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- 八日市町
- 那谷寺の鐘楼をかたどった唐門式の二重屋根構造で、破風の扇垂木も特色があります。天井には九谷焼作家・北村隆によって四神が描かれ、薬師寺管主による日月の文字があります。
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「御神輿」も見どころ!千載一遇のチャンスに出会えるかも
両社の神輿は江戸時代から伝わるもので、共に小松市指定文化財になっています。
莵橋神社の御神輿は、祭り期間中の日曜日に氏子町内を渡御。本折日吉神社は、土曜日と日曜日の両日、御神輿と獅子舞が氏子町内を回ります。
両神輿が出会うことは本来ありませんが、唯一の接点が細工町交差点。ここは橋北と橋南をつなぐ交差点になっており、何年かに一度、日曜日のお昼頃に両神輿に出会えるかもしれないポイントです。
また、御神輿が休んでいるときに赤ちゃんをちょこんと乗せると「元気に育つ」とも言われているので、機会を見つけたらぜひ声をかけてみてください。
祭りを盛り上げる「獅子舞」
「お旅まつり」では、氏子各町から子供獅子が出ます。基本的に曳山子供歌舞伎の役者は女の子で、男の子が子供獅子として祭りを盛り上げます。各町により多少形態は違いますが、中学3年生が獅子舞の一切を取り仕切る世話役となり、小学校低学年が綱引き、小学4年生~中学1年生までが笛、中学生が太鼓、中学2~3年生が舞いを受け持ち、1ヵ月程前から稽古を重ねます。
龍助町では、子供獅子だけでなく大人が演舞する大獅子も舞います。獅子頭は、1801年に製作された現役では最も古いもの。
獅子に出会った際は、獅子に頭を噛んでもらうと「1年間息災に暮らせる」などのいわれがあり魔除けになると言われています。
お旅まつりの華「曳山子供歌舞伎」
250年の歴史を持つ小松の子供歌舞伎は、主に女の子が演じます。
役者に選ばれた子供たちは、3ヵ月前から台詞を覚え、1ヵ月前から歌舞伎の師匠とほぼ毎日稽古。一方で、大人たち(五人衆、若連中) はパンフレットの作成、衣装や道具の準備、上演中のサポートにと駆け回ります。
このように、江戸時代から伝統を守り伝えられてきた歌舞伎は、子供の芝居だろうと侮れないレベルの高さで、見物客からは歓声が上がります。
豪華絢爛!「曳山曳揃え」のクライマックスは必見!
お旅まつりの一日だけ各町の曳山がダイナミックに移動し、一堂に揃う「曳山曳揃え」。特にクライマックスは必見!ライトアップされ黄金色に輝く曳山を舞台に演じられる子供歌舞伎はまさに圧巻です。
【曳山行列 曳手募集】
曳山の曳手として、お旅まつりに参加してみませんか?
年に1度しかない、貴重な経験を体験しよう!
日 時 :2025年5月10日(土) 集合時間12:30 移動開始予定時間12:45~ ※参加時間は30分程度
内 容 :曳山の曳手
参加資格:小学生以上
参加費 :無料
募集締切:2025年4月25日(金)
申込方法:「代表者氏名(ふりがな)」「住所」「電話番号」「メールアドレス」「参加者全員の氏名・年齢」を観光交流課までメールまたはファクスにてお申込みください。
《注意事項》
・曳いていただく曳山は事務局での指定となります。
・応募者が多数となった場合は、お申込みをお断りする場合がございます。
・当日の手荷物や貴重品についてはお預かりできません。
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