“色彩の魔術師” 宮本三郎のアートを体感しよう!
小松は、昭和を代表する芸術家・宮本三郎の生誕地! なんと小松には、宮本三郎の美術館が2館もあるんです。
2024年は没後50年イヤー! ぜひ小松愛にあふれた洋画家・宮本三郎の傑作を見に出かけましょう!
地元ライター:松岡 理恵(ラジオパーソナリティ)
宮本三郎ってどんな人?
小松市松崎町出身の洋画家・宮本三郎(1905~1974)は、「写実の天才」「色彩の魔術師」と評された大画伯。
少年時代から並外れたデッサン力を持ち、晩年は花と裸婦をテーマにした豪華絢爛な世界観を展開します。
1935年より東京都世田谷区にアトリエを構え、現在は世田谷美術館分館として宮本三郎記念美術館が開館しています。
東京の一等地にその名を冠した美術館がある大画伯なのです!
雑誌の表紙のため、高峰秀子や雪村いづみなど女優や歌手を描いたことでも人気を博しました。
画力を磨くため69年の生涯で2度にわたり、妻と共にヨーロッパ旅行へ!
女性の美を追求し続けた宮本画伯は、とても愛妻家だったようです。
わかりやすい文章で、絵画の指南本を多数出版!
金沢美術工芸専門学校(現・金沢美術工芸大学)、多摩美術大学の教授に就任し、後進の育成にも尽力しました。
豪華絢爛な世界観
宮本三郎は、小松中学校(現・石川県立小松高等学校)を中退後、画家を志し17歳で上京しました。
20代には売れっ子画家となり、33歳でヨーロッパに渡りますが、第二次世界大戦をきっかけに帰国。
従軍画家として戦争画を描いた後、故郷の小松に疎開しました。そして戦争画を描いた苦悩を抱えながら、40代から独自のスタイルを模索!
創作意欲は枯れることなく、60代にして豪華絢爛な世界観を展開! 生涯すさまじいエネルギーで描き続けました。
65歳の時に描いた代表作「レ・トロワ・グラース」は、ギリシャ・ローマ神話の三美神をモチーフに創作されました。
裸婦の造型的な美しさだけでなく、喜怒哀楽などの感情を表現することを試みた意欲作です。
背景には、鳥やヴァイオリン、お面などが素晴らしいデッサン力で描かれているので、ぜひ実物をじっくりご覧ください。
宮本三郎美術館の企画展「花と女性-美と優雅の共鳴」(2024年9月7日から12月8日まで)にて公開された収蔵作品をご紹介しました。
花と女性は、宮本三郎が生涯を通じて取り組んだモチーフです。
生で見ると一瞬で生命力と気品にあふれた世界観に圧倒されるはずです!
舞妓
舞妓は画伯がよく描いたモチーフです。可憐な舞妓さんを後ろ姿だけで表現する画力にうっとり。
舞妓の絵はオリジナルグッズとして、缶バッチやマグネットにもなっています!
宮本三郎美術館
木のぬくもりあふれる空間で、ゆったりと鑑賞できる美術館です。荒々しい筆のタッチや美しい色彩が間近で味わえます。
建物は昭和16年の石張り倉庫棟と、ガラス張りの新館に分かれていて、一見の価値ありな名建築です。
【小松市立宮本三郎美術館】
住所:小松市小馬出町5
営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日除く)、祝日の翌日(土、日除く)、展示替中、年末年始
料金:一般300円(20名以上団体250円)、高校生以下無料
電話番号:0761ー20ー3600
- 写真撮影がOK!
- 撮影OKの絵画もあり、お気に入りの作品を記念撮影できる。撮影NGな作品もあるので要注意!
- 図書コーナー
- 宮本三郎の展覧会図録や書籍が楽しめるコーナー。画伯が創立し、戦後の日本洋画壇をリードした美術団体「二紀会」の文献や世界美術大全集など、美術に関する本を閲覧できる。
- ギャラリーカフェ「キャトルセゾン」
- コーヒーや抹茶など、豊富なドリンクメニューが楽しめる。美術館に併設された店内では、市民のアート作品展を随時開催!アート好きの輪を広げてくれる素敵なカフェ。
宮本三郎のやきもの
小松市立宮本三郎美術館の企画展
(2024年9月7日から12月8日まで開催)
1950年代、宮本三郎は石川県の九谷焼の窯元や茨城県の窯元を訪れ、陶磁器を制作!
遊び心のあるデザインと色彩のやきものは、絵画とはちがう新たな魅力を感じさせます。
宮本三郎ふるさと館
宮本三郎ふるさと館は生誕地、小松市松崎町にある記念館。
作品だけでなく貴重な資料や愛用の品などを展示していて、画伯の人となりを身近に感じられます。
普段使っていたインテリアも展示! 絵になるアンティークなデザインがお洒落です。
【小松市立宮本三郎ふるさと館】
住所:石川県小松市松崎町16-1
営業時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)
定休日:月曜日(祝日除く)、祝日の翌日(土、日除く)、展示替中、年末年始
料金:無料
電話番号:0761ー43ー3032
ゆかりの地「松崎神社」
宮本三郎ふるさと館のそばにある「松崎神社」はかつて美しい絵馬などが飾られていて、少年時代の宮本三郎にとって美術館のような存在でした。小松を離れた後も、宮本は地元の公民館に絵を寄贈したり、神社に寄付をしたり、ふるさとを大切にしていました。
画伯の小松愛が沸騰!
農家の三男として生まれた宮本三郎は「小松風景」と題した白山を望む麦畑、柴山潟、鶴仙渓など、ふるさとの自然を描いています。
69歳で病気で亡くなる4日前に、宮本三郎は長女と故郷の話になり、小松を「素晴らしい天地だった」とふりかえりました。
生誕地、小松市松崎町には、宮本三郎が描いた「小松風景」を思わせる自然が広がっています。
小松が生んだ偉大なアーティストが愛した自然が、これからも守られていってほしいものです。
ミュージアムショップ
宮本三郎美術館と宮本三郎ふるさと館の両館には、ミュージアムショップがあります。
額絵、ハンカチ、一筆箋など、どれも欲しくなる素敵なグッズが手に入ります。
- ポストカード
- 1枚80円で購入できるポストカード。“色彩の魔術師”が描いた絵画はどれもカラフル!家に飾ったり手紙を書いたり、思い思いに活用できます。
- 缶バッジ╱マグネット
- 1個100円の缶バッジとマグネット。宮本が作ったやきものをモチーフにしたデザインもあり!
- トートバック
- 1000円のバッグを購入すると、好きなバッジが1つもらえてお得!宮本三郎ふるさと館で販売中です。
学芸員さんの見どころ紹介
- ライター松岡理恵
- 宮本三郎美術館のアピールをお願いします!
- 学芸員 齊藤さん
- 宮本三郎の生涯と画業を追いかけることができ、芸術家としての全貌をつかめます。1年に4回展示替えをしていますので季節ごとにぜひお越しください。
- ライター松岡理恵
- ズバリ!宮本三郎さんの魅力は?
- 学芸員 齊藤さん
- 素晴らしい描写力です。何度も描きなおせる油絵と違い、ごまかしが効かない水彩画やデッサンを見ると画力がよくわかります。明暗の付け方や形の取り方など、デッサン力があるからこそ、色の美しさも引き立っています。また宮本三郎は文章表現も巧みで、とてもわかりやすい文章を数多く残しています。展示の中でも紹介していますが、宮本三郎の文章は、絵画の歴史や描き方を丁寧に解説していて、インターネットのない時代に自ら勉強してきた努力の痕跡や、芸術への深い洞察力が感じられます。
アクセスマップ
- 小松市立宮本三郎美術館
- 小松市立宮本三郎ふるさと館
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