店主に会いに行きたくなる!小松の名喫茶店

小松市には多くの飲食店がありますが、昔ながらの地元の方から愛される喫茶店が多いのも特徴です。


珈琲を楽しむ方もいれば、食事をメインにされる方、喫茶店で過ごす時間や空間そのものを楽しむ方など、過ごし方は人それぞれ。

また、昨今では若い方を中心に「純喫茶ブーム」が続いています。


今回は小松の数ある喫茶店の中でも、歴史のある思わず店主に会いに行きたくなるような名喫茶店を3店ご紹介します。


ライター:建部 磯香

店主に会いに行きたくなる!小松の名喫茶店

パーラーアコ

小松駅から徒歩約5分、駅前のアーケード商店街の一角にあるのが『パーラーアコ』です。


見てください、この外観!すでに歴史を感じさせる佇まいです。レトロで可愛いフォントの看板が目印です。

こちらが店主の岡野 信夫さん。なんと御年93歳のマスターです。今日も元気に1人でお店を切り盛りしています。


『パーラーアコ』の創業は1968年。なんと今年で創業56年を迎えました。


岡野さんがこの『パーラーアコ』を始めたのは37歳の時。


「お店を始める前は20歳から兄と洋服の販売員をしとったんや。そこで商売とは何かを教えてもらった。展示会にいったりして自分なりに洋服や商売の勉強も

いろいろしとった。このお店をオープンした時代(昭和43年)は仕事ならなんでもあった時代や。自分で商売をする時に、喫茶店ならできるかなと思って始めたんや」と岡野さん。


お店を始めたころは特別珈琲にも詳しいわけではなかったそうで、お店のシンボルであるレコードやオーディオについても当時はそこまで詳しくなかったのだそうです。


お客さんに教えてもらいながら、徐々に詳しくなっていったのだとか。




昭和にタイムスリップしたかのような、唯一無二のこの空間

『パーラーアコ』のおすすめポイントはやはりこの雰囲気。


レトロな照明や看板は創業当時からそのまま使っているそうです。

個人的にはカウンターの端っこの、この赤い皮の部分がお店のアクセントになっていてお気に入り。ふかふかしていて、肘をかけても痛くないのがポイント高めです。


長年の歴史が作り上げたこの唯一無二の空間。さぞかし長年の常連さんも多いかと思いきや、意外にも若い方や初めて来られる方も多いのだそう。


常連さんが始めたInstagramがきっかけで、最近では若い子がよく来るようになったそうです。


「令和の時代に、うちで思いっきり昭和を感じてもらえたら嬉しいね」

アコといえばやはりいい音で聴けるジャズ

アコといえばやはりコレ!マスター自慢のスピーカーで聞くJAZZです。


アコにいると、よく流れているのがJAZZ。とてもいい音で流れているので、ジャズに詳しくない方でも自然と耳を傾けてしまいます。

普段は小さいスピーカーで流しているとのことですが、充分いい音です!


マスターこだわりのオーディオは、こちらの昭和53年に購入したJBLオリンパスと、WE300Bという真空管アンプ。


創業当時はそこまでオーディオや音楽に詳しくなかったという岡野さん。


お客さんに教えてもらったりしながらどんどん詳しくなっていって、気づいたらすっかりオーディオにハマってしまっていったそう。


「このJBLオリンパスは〝本当にいい音でジャズを聴きたい人だけ〟に聴かせたいから、これは予約制なんや。小松にもこんないい音・オーディオがあるんや!

っていうことを知ってもらえたら嬉しいね」と話してくれました。


本当にいい音でレコードを聴きたい方は是非予約してみてくださいね。(一週間前までに要予約)





50年の魔力!イタリアンスパゲティ

雰囲気もオーディオも最高の『アコ』では軽食も楽しめますが、中でも人気なのがこちら、イタリアンスパゲティです。


メニュー表や店内に「50年の魔力 イタリアンスパゲティ」と書いてあるこちらのスパゲティは、常連さんからのリクエストで復刻したメニューだそう。


当時「学生さんにお腹いっぱいになってもらいたくて」と提供していたためか、今でも量は少し多め。


太めの麺とケチャップ、そしてスパイシーな味付けがクセになる美味しさです。


「なるほど、これが50年の魔力なのか」とあなたも一度食べたらきっと納得するはず。

創業以来56年、今も年中無休でお店に立ち続けている岡野さん。


最後に仕事をする上で大切にしていることを伺ってみました。


「やはり商人に生きるということかな。何事も誠実に、謙虚に、熱心に。この3つは欠かさないで商売をするのが大事。

お客様から助けてもらって今があるというのを忘れたらいかんね」と笑顔で力強く話してくれました。

パーラーアコ

【住所】小松市飴屋町23-2

【電話番号】0761-23-1306

【営業時間】7:30~18:00

【定休日】年中無休


パーラーアコ

喫茶フローラ

小松市役所から歩いてすぐの所にあるのが『喫茶フローラ』です。


喫茶フローラの創業は1972年。今年で創業52年を迎える老舗喫茶店です。


入口に入ると、焙煎した珈琲のいい香りがふわっと漂います。

こちらの方が現マスターで2代目の松本道男さん。ほとんど休みもなく、毎日朝から閉店まで、お店のカウンターに立ち続けています。


テキパキと無駄のない動きは見ていて思わずほれぼれするほどで、心地よい距離感で接客をしてくれます。

今は3代目である長男の晋太郎さんとご家族と一緒にお店を切り盛りしています。



フローラの創業は、もともと道男さんのお母様が、子育てがひと段落したことから喫茶店を始めたのがきっかけでした。

その後お父様もお店に入り、1976年に法人化。


道男さんは当時東京で調理師の専門学校に通っており、東京のお店で修行をした後、1978年頃に小松に戻りお店に入りました。


「お店に入った当初は自分が調理担当で、父が焙煎を担当していました。うちの珈琲のブレンドの配合は昔から変わりませんが、

時代によって珈琲の味の流行もあるので豆の焼き方を変えています。私には私の焼き方があるし、息子も焼き方がちがう。

それぞれの時代で焼き方を変えているんですよ」と教えてくれました。

道男さんが大事にしているのは、出来る限り手作りにこだわるということ。


「うちは料理も珈琲もケーキもほぼ手作りです。もちろん手間もかかりますが、やはり自分が美味しいと思うものをお客様に提供したいですよね。

それにこれだけの物価高の時代ですから。来て下さるお客様の為にも、あまり値上げをしないようにするために出来る限り手作りにしています」


また、極力お店を休まないことも大切にしているそうです。今でこそ月に2回程休みを取ることがあるそうですが、昔は正月休みだけだったとか。


「いい意味でこの仕事はプライベートと仕事の境目が無いんですよ。これが私にとっての日常ですからね。

来て下さるお客様のためにこれからもできる限り続けていければ」


と話してくれました。

フローラのおすすめポイントはなんといってもその雰囲気ではないでしょうか。


創業以来ほとんど変わっていないという店内は、レトロで上品な雰囲気が漂います。


店内からは綺麗な庭園を眺めることができます。ここで珈琲を飲みながらぼーっと外を眺めているだけで、とっても癒されます。

こちらはケーキセット750円。


珈琲と、ショーケースの中からお好きなケーキを1つ選ぶことができます。チーズケーキは程よく酸味があって珈琲との相性もぴったりでした。

こだわりの自家焙煎ブレンド

フローラでは自家焙煎のオリジナルブレンドの珈琲を提供しています。


「できるだけ新しい豆で挽いた珈琲を提供したい」との思いから、少量ずつ焙煎しているのだそう。


焙煎を担当しているのは息子の晋太郎さんで、焙煎をするようになってから10年程になるそうです。


フローラの自家焙煎珈琲はサイフォンで丁寧に抽出して提供をします。しっかり深みがあるのに後味はすっきりとしていて飲みやすいのが特徴です。


毎日飲んでも飽きの来ない味が長年の人気の秘密なのかもしれません。


フードも人気のフローラ

フローラの人気の理由は先述してきたとおりですが、特に特筆すべきはフードの美味しさではないでしょうか。


フローラでは日替わりの定食が人気です。(土日祝日は除く)


こちらの日替わり定食は曜日ごとに内容が決まっており、これを目当てにほぼ毎日通う常連さんも居る人気メニューです。

数量限定のため、早めに売り切れることもあるので早めの来店がおすすめですよ!

その他にも人気なのが、こちらのオムライス(900円)


見てください、このつやつやで美しいオムレツの姿!スプーンで真ん中を割ると、玉子がふわ~っとケチャップライスの上に流れていきます。


酸味がちょうどよく、とっても美味しいので是非味わってほしい逸品です。


皆さんもぜひ美味しい珈琲と食事を味わいに足を運んでみてはいかがでしょうか。

喫茶フローラ

【住所】小松市小馬出町123

【電話番号】0761-21-0103

【営業時間】7:00~22:00(日曜日は18:00まで)

【定休日】日曜(月2日程度・Instagramを御確認ください


喫茶フローラ

珈琲屋ジャマイカ

小松駅から車で5分程度、桜木体育館の近くにあるのが『珈琲屋ジャマイカ』です。


創業50余年の老舗喫茶店で、毎朝7:00の開店とともに、常連さんや幅広い世代のお客様がたくさん訪れる小松屈指の人気喫茶店です。

こちらのカウンターで珈琲を淹れているのが店主の林 弘泰さん。いつも元気でパワフルです。


林さんは2代目で、父親からジャマイカを引き継ぎました。


お店を継ぐきっかけになったのは、父親の病気だったと言います。


「それまで私は京都で学生時代を過ごしていました。そんな中、父親の容態が思わしくないと連絡をもらい、自分がこの店を継ぐんだという覚悟で


戻ってきました。その後すぐにお店に入りましたが、程なくして父親が他界してしまいました」

林さんが父親の珈琲の焙煎姿を見たのは一度だけだったそうです。


「当初はなんにもわからないまま店を営み、ひたすら自己流で珈琲豆を焙煎していました。珈琲の焙煎の仕方を教えてもらえる人もいなかったですから。


当時の常連様からは「珈琲がまずい」と何度もお叱りを受け、それでも必死においしい珈琲を淹れたくて、日々探求していました。


今があるのはその時の常連さんのおかげですね」と当時のことを話してくれました。

林さんがお店を続けていく上で大切にしているのは、継続だと言います。


「とにかく来て下さるお客様のために日々お店を続けていくこと。継続は力なりです。お客さんがいてくださる限りはこれからもお店を続けていきたいですね」


プライベートもしっかり大事にすることも長くお店を続ける秘訣だとも教えてくれました。

こだわりのジャマイカブレンド

ジャマイカといえば、やはり珈琲です。


一番人気は「ジャマイカブレンド」。店名を冠したこちらの珈琲は先代の代から続くジャマイカの定番で、あっさりとして飲みやすい味わいが特徴です。


基本の豆のブレンドは昔から変えていませんが、季節はもちろんその日の天候等によって豆の焼き方を変えているのだそう。


今使っている焙煎機も約30年程、メンテナンスしながら使っているそうです。

ジャマイカといえばやはり食事が美味しい!

  • モーニングトーストセット ドリンク+300円

珈琲ももちろん美味しいですが、食事も人気のジャマイカ。


中でも喫茶店といえばやはりモーニングが気になるところ。


ジャマイカのモーニングはモーニングトーストセットとモーニング和定食の他に、朝からガッツリいきたい方向けにオムライスや焼カレー、


ステーキなど「朝イチからシリーズ」を提供しています。

私のお気に入りはこちらのモーニング和定食(ドリンク+400円)


程よい塩気の焼鮭と、ゆせん玉子がついたシンプルな和定食ですが、このシンプルさが逆に潔くってとってもいいんです。


もちろんおともはジャマイカブレンドで。



モーニング以外にもランチ、カフェタイムと気軽に過ごせる喫茶店なので、ぜひ足を運んでみてくださいね。

珈琲屋ジャマイカ

【住所】小松市桜木町103-1

【電話番号】0761-21-1413

【営業時間】

月~水曜7:00~17:30(17:00L.O.)、金~日曜7:00~19:30(19:00L.O)

【定休日】木曜


珈琲屋ジャマイカ

アクセスマップ

  • パーラーアコ
  • 喫茶フローラ
  • 珈琲屋ジャマイカ

Google Mapの読み込みが1日の上限回数を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください

次に読みたい特集記事

小松でランチ!とっておきの昼ごはん。週末ランチも!
小松でランチ!とっておきの昼ごはん。週末ランチも!
VIEW MORE
《小松グルメ特集》地元民が通うお店を紹介します!
《小松グルメ特集》地元民が通うお店を紹介します!
VIEW MORE
【小松土産店】小松のお土産を買うならここ!小松のよいものが揃う新スポット!
【小松土産店】小松のお土産を買うならここ!小松のよいものが揃う新スポット!
VIEW MORE
【日帰り温泉】小松市でおススメの入浴施設 特集!!
【日帰り温泉】小松市でおススメの入浴施設 特集!!
VIEW MORE
石川の伝統菓子「福梅」と「辻占」をご存じですか?
石川の伝統菓子「福梅」と「辻占」をご存じですか?
VIEW MORE
ひと・もの・情報の交流拠点【Komatsu 九(コマツ ナイン)】をご紹介します!
 ひと・もの・情報の交流拠点【Komatsu 九(コマツ ナイン)】をご紹介します!
VIEW MORE
日本一の自動車博物館!あの懐かしい車達に逢えるかも!?
日本一の自動車博物館!あの懐かしい車達に逢えるかも!?
VIEW MORE
【小松駅周辺】朝食・モーニングが食べられるお店9選
【小松駅周辺】朝食・モーニングが食べられるお店9選
VIEW MORE
子供歌舞伎に曳山曳揃え!「お旅まつり」を楽しもう
子供歌舞伎に曳山曳揃え!「お旅まつり」を楽しもう
VIEW MORE
粟津(あわづ)温泉は北陸最古の温泉地!1300年の歴史と恋の物語
粟津(あわづ)温泉は北陸最古の温泉地!1300年の歴史と恋の物語
VIEW MORE
ページトップへ