那谷寺の魅力を徹底解説!御朱印や紅葉も必ずチェック
雄大な自然に包まれ、四季折々に素晴らしい表情を楽しめる那谷寺は紅葉のスポットとしても人気があります。境内には日本国指定名勝や重要文化財の建造物など見どころ満載。胎内くぐり体験や人気の御朱印情報など、那谷寺の魅力を徹底解説します!
那谷寺(なたでら)ってどんなところ?
那谷寺の始まりは奈良時代の717年に白山を開いた泰澄大師により創建されました。当時は「岩屋寺」と呼ばれていましたが、平安時代の986年に花山法皇が訪れ「私が求めている観音霊場三十三ヵ所はすべてこの山にある」と言い、第一番である那智山と、三十三番の谷汲山から一字ずつ取り、「那谷寺」と改名したと伝えられています。
その後、兵乱により荒れ果てていたものを、江戸時代の1640年に、加賀藩三代藩主・前田利常が再建。本殿や拝殿などが国の重要文化財に、庫裡庭園及び奇岩遊仙境を含む境内一帯の2箇所が日本国指定名勝に指定されるなど、敷地内にたくさんの見どころがある人気観光スポットです。日本を訪れる外国人観光客向けガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも1つ星の認定を受けています。
那谷寺の見どころ【1】奇岩遊仙境
そそり立つ巨大な岩に、いくつもの穴が開口する「奇岩遊仙境」の独特の景観は、太古の海底噴火の跡といわれています。松尾芭蕉も立ち寄り、句を詠んでおり、2014年に「おくのほそ道の風景地」として新たに日本国指定名勝に指定されました。
神仏習合の白山信仰の寺のため、岩の中腹などに朱色の鳥居や稲荷社が点在しています。
現在は安全と景観保護のため立入禁止となっていますが、展望台からは四季折々の色づく木々に彩られた見事な岩壁の景観を見ることができます。
那谷寺の見どころ【2】金堂華王殿
那谷寺の山門をくぐると、左手にある「金堂華王殿」。南北朝時代の戦火で消失しましたが、1990年に鎌倉時代の和様建築様式、総桧造りで再建されました。
本尊・十一面千手観音を安置し、那谷寺の法会は全てここで行われます。白山曼荼羅、泰澄神融禅師、花山法皇像も安置され、壁面は郷土が生んだ代表作家による神仏融合の白山信仰を表す作品で飾られています。
那谷寺の見どころ【3】大悲閣(本殿)
本殿は「大悲閣」と呼ばれ、岩壁に寄って屋根のない唐木造、正面の屋根が前に張り出す「向拝」、木の薄板を幾重にも重ねる施工「柿葺」で造られており、四方の欄間には山上善右衛門による透かし彫りが施されています。大悲閣拝殿、唐門、本殿の3つの重要文化財建造物を総称して本殿と呼ばれて、中には本尊の十一面千手観世音菩薩が安置されています。
いわや胎内くぐり
本殿は岩窟内にあり、岩窟は「岩屋」と呼ばれ、岩屋を巡り祈ることで母の胎内をくぐり抜けたことになる「いわや胎内くぐり」。つまり、この世の罪を洗い流し、再び母の胎内より新たな自分に魂が生まれ変わるとされる体験ができます。
那谷寺の見どころ【4】特別拝観エリア
那谷寺には特別拝観エリアがあり、冬期積雪時はクローズしていますが積雪シーズンを除けば、国指定重要文化財の書院、国指定名勝の書院庭園、阿弥陀三尊のご来迎に似ていることから名付けられた三尊石のある琉美園も拝観することができます。
※特別拝観には、一般拝観料+200円が必要です。(幼児・小学生無料)
- 書院(重要文化財)
- 室町時代末期に起こった天正の戦乱で、諸堂伽藍が焼失したのち仮御堂として建てられたもので、前田利常が書院として再建。武家書院造りで一間ごとに柱が入り、特に玄関は珍しく土天井になっており、他の書院造りでは見られない特徴が随所で見られます。
- 書院庭園(名勝指定園)
- 園中に歩石を布置し、所々に石を建て、椎の老樹、杉の巨木が配され、苔に覆われた古色ゆかしい庭園です。庭園の北西隅には茶室「如是庵」があり、小間の茶室で草庵風を基にしていますが、にじり口が無く、大きく円窓や連子窓を取るなど異彩を放っています。
- 三尊石・琉美園
- 書院奥にひろがる庭園「琉美園」の池中央にある自然の岩面は、3つに別れ三尊石と呼ばれています。岩面の裂けた姿が阿弥陀三尊のご来迎に似ていることから名付けられました。琉美園には小川が流れ、水芭蕉、しゃくなげ、あじさい、つつじが綺麗な彩りをみせてくれます。
那谷寺の園内マップ
上記で紹介したスポット以外にも、三重塔、芭蕉句碑、展望台などみどころ満載。一般拝観エリアは30分~40分程度、特別拝観エリアは15分程度、両エリアをゆっくり拝観してもあわせて1時間程度で見て回れます。
※拝観時間は9:15~16:00です。
那谷寺の四季を楽しむ
那谷寺は深山で緑に包まれ、岩屋を有していたため、自然智の道場となりました。ひとつの季節だけでは語りきれない、那谷寺の四季をお楽しみください。
- 那谷寺の春
- 桜に包まれるような錯覚を覚える、那谷寺の春。桜以外にも春の息吹を感じられる艶やかな花々が咲き誇ります。
- 那谷寺の夏
- 雨が多い地方ですが、だからこそ凛と咲く花は美しいもの。露を含む新緑の若々しさは、瞑想したくなるほど清々しい空気に満ちています。
- 那谷寺の秋
- 奇岩遊仙境の白に紅葉の赤が映える様は、北陸でも屈指の紅葉の名所となっています。気がついたら広大な境内をもう1周…という方も。
- 那谷寺の冬
- 静寂な白銀の雪景色に真っすぐ伸びる参道。雪吊が施され、雪の狭間から見える緑が侘び寂びとした美しさを演出します。
御朱印も人気!
山門を入りすぐ左手の「金堂華王殿」で御朱印、御朱印帳をいただけます。季節や行事にあわせて限定の御朱印が頒布されることもあります。また、胎内くぐりの御朱印は金堂華王殿ではなく本殿でいただくことができます。
住職からひとこと!
那谷寺へのアクセス・駐車場情報
公共交通を利用するのなら、
・加賀温泉駅からCANBUS(キャン・バス)(山まわり線または加賀小松線)で約34分
・小松駅から路線バス粟津線「那谷寺行き」で約42分
※CANBUS(キャン・バス)・・・加賀温泉駅を起点に加賀温泉郷の見どころを巡回運行するバス。
車では
・富山方面から→小松ICで降りて約30分
・福井方面から→加賀ICで降りて約30分
無料駐車場(バス40台、乗用車250台)があります。
那谷寺の近くにある人気の観光スポット
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那谷寺を参詣した後に、「恋人の聖地」巡りでご縁結び!
那谷寺には縁結びの神として信仰される庚申さん、那谷寺から車で約5分の場所にある「恋人の聖地」粟津温泉には愛を深め、縁を結ぶスポットがたくさんあります。
アクセスマップ
- 那谷寺
- 粟津温泉
- 日本自動車博物館
- 加賀伝統工芸村 ゆのくにの森
- 叡智の杜
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特別拝観エリア(書院や小堀遠州指導の国名勝指定園、足立美術館の庭を手掛けた中根金作氏作庭の庭園)もぜひ見ていただきたいです。
境内には7棟の重要文化財と2つの国指定名勝庭園があるので散策しながらお気に入りの風景を見つけてください。